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マルチナイト処理について

深層浸硫窒化処理【マルチナイト処理】は従来、金属表面の硬化処理にあたり及ばざる種々の点を解決した画期的な処理方法です。金属表面硬化処理には、浸炭処理・真空焼き入れ処理・高周波焼き入れ処理・窒化処理・各種メッキ・CVD・PVD処理等が一般的に行われておりますが、処理層の深さ,硬度,ワークのひずみ,耐久力,等の問題点に一長一短があり、使用目的に最も必要な性能を第一に選択し、他の短所は妥協しているのが現状です。

マルチナイト処理もこの点決して万能の処理ではありませんが、他の処理法に比べ多くの点で優れた性能を兼ね備えた注目すべき処理法です。

 

◆特長

1.一種の浸硫窒化であるので、表面の初期なじみ性が優秀です。窒化後、浸硫処理が不要になります。

2.従来の窒化処理の概念を覆す深さまで、窒化を行うことができます。このため、硬化硬度と相まって抜群の耐摩耗性を発揮します。メッキ等のプレーティング処理では期待できない耐衝撃性も優秀です。

☆50~60μmまで可能

☆表面に白層の析出を容認すれば、100~200μmでも可能

☆表層硫化層は1~2μm

3.硬度は窒化保証鋼の場合 Hv1000~1100

普通鋼の場合   Hv800~900程度

表層硫化層    Hv400~450

 

◆参考

窒化保証鋼の範囲  SUS・SKD・SKH・SCM・SNC・SNCM・SCr

普通鋼の範囲     S-C・SK・SKS等

不適鋼         SUJ

1.窒化処理のため、金属の処理ひずみが殆ど出ません

  (ワーク形状にもよりますが、1~2μm程度まで)。

2.窒化層の下は当然にその金属の素材のままですから、要求される金属の性質は問題なく維持されます(引っ張り強度,硬さ,曲げ強度等)。

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